ワイヤー矯正
ワイヤー矯正について

ワイヤー矯正とは
ブラケットと呼ばれる器具を歯に装着し、そこにワイヤーを通して、動かしたい方向に向かって歯に適切な力を加え、徐々に歯を移動させることで歯並びを良くするという矯正治療法です。従来からある一般的な矯正治療の方法で、様々な症例に幅広く適応できるのが大きな特徴です。
マウスピース矯正と比較して、取り外しをしないというところが大きく異なり、それにより両者利点欠点が分かれます。また歯
の面に装置がつくので、見た目に関係するという点でも注意が必要です。
ワイヤー矯正の特徴
幅広い症例に対応できる
ワイヤー矯正は、軽度〜重度の不正咬合(出っ歯・ガタガタ・すきっ歯 など)まで、ほぼすべての症例に対応可能です。難しい歯の動きもコントロールしやすいのが特徴です。

細かく正確な歯の移動が可能
細かい動き、大きい動きにも対応可能。
ワイヤー、ブラケットとその他補助的な装置を併用する事で、マウスピースでは不可能な動きも実現します。

自己管理の負担が少ない
マウスピース矯正のように「自分で外したりつけたりする手間」がなく、つけっぱなしでOK。忘れて外す心配もないので、継続的にしっかり治療が進みます。

矯正期間
症例によっては、マウスピース矯正よりも治療がスムーズに進み、計画通りに終了しやすいことがあります。
症例によりますが、部分矯正は3〜6ヶ月程、全体矯正では2〜3年程期間がかかる事があります。

ワイヤー矯正と
マウスピース矯正の併用
近年でテクノロジーの発展が 進み、マウスピース矯正での適応範囲は非常に広がりました。ほとんどの症例がマウスピースで改善すると言っても過言ではありません。
しかし、それでもまだマウスピース矯正には苦手分野はあり、万能とまでは行かないのが現状です。両者には双方得意分野、苦手分野がある為、そこを両者駆使しながら治療をすることが最も効果的です。
- 両者の利点を総取りできる
- 治療期間を短くすることができる
- 治療費用を抑えることができる
ワイヤー矯正の方が
優れている症例
抜歯スペースを閉じる
抜歯スペースを閉じるには、隣の歯を引っぱって動かす必要があります。
ワイヤー矯正は「歯を引き寄せる力」が強く、効率的にスペースを閉じることができます。

埋まっている歯を引き上げる
埋まっている歯を引っぱり出すには強い力と正確なコントロールが必要で、ワイヤーとブラケットによる固定が最適です。
引っ張るだけでなく、周囲の歯の位置も調整しながら全体のバランスを整えられるのがワイヤー矯正の強みです。

歯を大きく回転させる
歯が90度以上回転しているようなケースは、マウスピースでは動かしきれないこともあるため、ワイヤー矯正が適しています。

噛み合わせが深い
深い噛み合わせを改善するには、上下の前歯の位置や傾きをかなり細かく調整する必要があります。
そのためワイヤー矯正の方が、垂直方向の歯の動き(圧下や挺出)が必要な症例に適しています。

ワイヤー矯正の流れ

検査(資料採得)
顔貌の写真、口腔内の写真、歯型の型取り、X線写真などの検査を行います。
※検査料のお支払い。
説明
ワイヤー矯正については術前に治療の流れを大まかに説明します。
治療途中で方針の変更をする場合があります。
同意と契約
検査結果、方針の説明を行った上で内容に同意頂けたら、契約へと移ります。
治療開始
治療開始。
ブラケット、ワイヤーがセットされます。
定期観察
通常1ヶ月ごとに調整・観察、必要処置を行います。
途中追加の装置を装着することもあります。
※異常を感じる場合は都度ご来院をお願いしています。
治療終了
歯が後戻りしないように保定装置(リテーナー)を装着します。
※ワイヤー矯正とマウスピース矯正を併用する場合、上記の「⑥治療終了」からマウスピース矯正の治療が開始されます。
ワイヤー矯正治療時に
併用する
補助装置について
矯正補助装置
ワイヤー矯正では、通常のワイヤーのみでは十分な治療結果が実現しにくいと思われるような場合、矯正用アンカースクリュー、トランスパラタルアーチ等を含む補助的な矯正治療、もしくは補綴処置が必要とされる可能性があります。
矯正用アンカースクリュー
矯正治療中に歯ぐきに入れるミニインプラントです。これがある事で、歯単体あるいは全体を引っ張り、様々な難しいケースを治療する事ができます。
使用例:抜歯症例、ガミースマイル、出っ歯等

トランスパラタルアーチ
上顎につける装置です。一般的に左右の6番目の歯を繋げて固定する時に使われます。この装置とアンカースクリューを併用すると、歯全体を後ろに下げる事ができます。
使用例:抜歯症例、出っ歯等

製品・パーツのトラブル
叢生の程度が重度の場合、あるいは欠損した歯が複数存在する場合、製品破損の可能性が高くなります。
矯正装置またはそのパーツについては、偶然に飲み込んだり吸引してしまう可能性があります。人体には影響ありません。
矯正治療終了後の流れ
治療後の後戻りを防ぐために
矯正後は、「後戻り防止」のために保定装置(リテーナー)の装着が重要となってきます。なぜなら、保定を行わないと骨や咬み合わせが安定しておらず、元に戻りやすいからです。特に、矯正治療を行った直後は後戻りが起きやすいため、矯正治療終
了後に適切に保定装置の装着を行うことで、ベストな状態をキープできるようにします。装着の期間としては、最低でも動かした期間と同じ期間は装着し続ける必要があります。
リテーナーがある場合と無い場合


リテーナーをした場合、きれいな歯並びを維持します。
リテーナーをしない場合、元に戻りやすいです。
(約2年経過後)
保定装置
(リテーナー)の種類
固定式
取り外しの必要がない事が利点ですが、前歯しか固定
できない点、外れるリスクがあるところが注意点です。

取り外し式
取り外しできるので、歯ブラシなどスムーズに
行えます。
多少目立ちやすいのが欠点です。

マウスピース(ビベラ)
クリアなので見た目に影響が少なく、取り外しできる
ので使いやすく、歯ブラシもしやすくなります。

矯正治療を検討している
患者様へ

このたびは矯正治療にご関心をお持ちいただき、誠にありがとうございます。
矯正治療は、歯並びやかみ合わせを整えることで、見た目の美しさだけでなく、正しい噛み合わせによる健康面の改善も期待できる治療です。最近では目立ちにくい装置や取り外し可能な矯正器具など、患者様のライフスタイルに合わせたさまざまな選択肢がございます。
当院では、まず患者様のお悩みやご希望を丁寧にお伺いし、一人ひとりに最適な治療計画をご提案いたします。治療期間や費用、装置の種類など、気になる点があれば遠慮なくご相談ください。
不安なことやわからないことがあっても大丈夫です。矯正治療は長期間にわたる治療となることが多いため、私たちは患者様と信頼関係を築きながら、安心して治療に臨んでいただけるよう心がけております。
まずはお気軽にカウンセリングにお越しください。皆様の笑顔と健康をサポートできることを、スタッフ一同心より願っております。