歯ぎしり・顎関節症
歯ぎしりについて
歯ぎしりとは
歯を意識的または無意識的に強く擦り合わせる習慣のことです。
この症状は主に睡眠中に起こることが多く、歯や歯茎にダメージを与え、歯の削れや顎関節症の原因となることがあります。
歯ぎしりが起こる原因
明確な原因は一概には言えませんが、考えられる原因はいくつかあります。
- ストレス
- 疲労
- アルコール
- 不正咬合
- 睡眠障害
ご自身でできるセルフチェック
- 歯がすり減って短くなってきている
- 睡眠時に周りに方から指摘される
- 朝起きて顎のあたりに疲労感、痛みを感じる
歯ぎしりの主な種類
歯のこすり合わせ : グラインディングの症状
寝ている時に多いです。いわゆる歯軋りで、ギリギリと音がします。噛みながら顎を動かしています。
歯の噛みしめ : クレンチングの症状
グラインディングと比較するとわかりにくいです。いわゆる噛み締めで、顎を動かさないので音がしません。また、クレンチングは日中お仕事中やテレビ、動画を見ている時など集中している時に無意識にすることもあります。
歯を鳴らす : タッピングの症状
カチカチと歯を噛み合わせる動作を繰り返します。
顎関節症について
顎関節症とは
顎の関節が何らかの原因によって痛み、機能障害、異音等が起こる事を総称して顎関節症と言います。
異常があるのは関節の骨であったり、軟骨、筋肉であったりさまざまです。
顎関節症の原因
基本的には、噛み合わせの問題や、歯軋り食いしばりによる顎関節部への慢性的な過重負担が主な原因とされており、そこにストレスや疲労、睡眠不足等の副次的要因が重なることで発症しやすくなると言われています。
歯ぎしりを放置すると
起こる二次障害
歯への障害
歯の磨耗、歯の破折が考えられます。磨耗は歯の寿命を縮め、噛み合わせがさらに悪くなる悪循環を起こします。
破折は、割れ方によって抜歯が必要になることがあります。
歯の周りの組織への影響
歯軋りは歯周病を進行させる要因であることが知られています。
歯周病も歯を失うリスクの高いものなので注意が必要です。
顎関節への障害
顎関節への負担が非常に大きくなるので、顎関節症の発症、また長期的には顎の骨の変形を起こすことがあります。
その他の影響
歯軋りは無意識に顎の筋トレを行っていることになるので、顎の筋肉の発達が起こります。そのためより一層歯や顎に負担がかかる悪循環が起こります。また顎の筋肉の発達はいわゆるエラが出てくることになります。
歯ぎしり治療について
歯ぎしりの治療法
現状、歯軋りを根本的に解決する方法は見つかっていません。ですが対症療法として以下の治療法があり、効果的です。
ナイトガードの作成
夜寝る時につけるマウスピースを作成します。歯軋り自体を防止できるものではありませんが、歯を力の負担から守り、顎への負担の軽減も期待できます。
ボトックス
ボトックスとは、筋肉の働きをあえて弱くするお薬です。
これを顎の筋肉に使用することによって噛む筋肉を萎縮させ、歯や顎への負担を軽減することができます。また、エラを減らすことができるので小顔効果も期待できます。
顎の筋肉にボトックスを注射します。通常2回以上の処置をしないと効果は薄いとされています。1回目から2回目までは3〜4ヶ月期間を開ける必要があります。ボトックス治療は自由診療です。
睡眠時無呼吸症候群
について
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠中に一時的に呼吸が止まったり浅くなったりする症状の総称です。主な症状には、いびき、睡眠中の呼吸停止や呼吸困難、日中の眠気や集中力の低下などが挙げられます。
睡眠時無呼吸症候群は、正常な睡眠サイクルを妨げ、重篤な健康リスクを引き起こす可能性があるため、早めの治療が必要とされます。診断や治療は睡眠外来や歯科医院で行われることがあります。
歯科医院で行われる治療
歯科では、睡眠時に使用する無呼吸症候群専用のマウスピースを作成します。
内科からの紹介状をお持ちいただければ保険診療でも作成することが可能です。
無呼吸症候群と診断されなくても自由診療でマウスピースの作成をすることが可能です。
保険診療と自由診療の
マウスピースの違い
保険診療
メリット
- 価格を抑えて作成することができる
デメリット
- 上下の顎の位置を完全に固定する為咳や唾液の飲み込みがしにくい
- 内科での睡眠時無呼吸症候群の診断が必要
自由診療
メリット
- 上下の顎の位置に多少自由度がある為咳や唾液の飲み込みがしやすい
- 内科での受診は不要
デメリット
- 高価になる